Oneside Flat Web

◆不定期日記ログ◆

■2010-02-25
しまっていこうぜ
 野球部が謎の言葉を使う。
 「ばっちこーい!」とか、もう元の言葉がほとんど復元できない。
 「バ(ッターよ、俺は捕球できる自信があるからこ)っち(に打って)こい」だそうだ。
 そういえばノック役がヘタなとき「ばっちこねーぞー!」と言っていた。

 「しまっていこう!」は、解読はできるものの、意味がわからない。
 「気を引き締める」というなら「しめていこう!」になるはずだ。
 「シメてやろう!」だと別の意味で攻撃的になると思う。
 なぜゆえ微妙に受け身の姿勢なのか。

 想像するしかない!
 「しまっていこう!」が使われるシーンを、頭の中で組み立てるしかない!


 野球場の前の広場、超高校級エースとその相棒のキャッチャー、
 決勝戦開始の朝、広場にひびくキャッチボールの音……

「肩は大丈夫そうだな」
「ああ、もう心配ない」

 キャッチボールが続いている。

「これが終わったら、俺たち、もう引退なんだな」
「もう3年もたつんだな……」
「悔いのない試合にしようぜ」
「もちろん」

 キャッチボールは徐々に熱を帯び始める。

「ちょっと全力で投げてみていいか」
「わかった、まってろ」

 キャッチャーがしゃがんでミットを構える。
 ひときわ大きな捕球音が広場に響く。

「いい球だ」
「おい、ちょっと待て」
「どうした」
「お前、チャックあいてる」
「いつもあけてんだよ」
「あけんなよ」
「セックスアピールだよ、マネージャーへの」
「お前、最後くらいそういうのやめろよ、セクハラだぞ」
「最後だからこそ、徹底的にアピールだろ」
「おい、ていうかお前、出てるぞ」
「出してんだよ」
「完全にアウトだろそれ、テレビ来るんだぞ、今日の試合」
「男を見せるチャンスだぜ」
「見せんなよ、しまえよ」
「えっ」
「男は試合内容で見せればいいだろ」
「試合で……」
「最後くらいは、それ、しまって行こうぜ」
「そうだな……しまって行こう」