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◆不定期日記ログ◆

■2009-11-24
バッシ・クラウザー
 ついに親不知の抜歯が始まった。
 歯医者に行きはじめてから随分かかったな!と思われるかもしれないが、それだけ細かい虫歯がたくさんあったのだ。

 一度詰めた場所は、どうしてもオリジナルの歯との間にわずかな段差ができるため、再び蝕まれやすい。ほとんど全ての治療痕を掘り返し、新しく詰め直していくような治療であった。どうでもいいが「虫歯」と「蝕む」は語感が似ているな。
 歯とはいえ、人工物を体に入れたら定期的なメンテナンスが必要だ、というマイコーの鼻の教訓である。

 そんな口内革命の仕上げである親不知の抜歯。
 左下の一本は眠れる獅子(完全埋没)であるそうなので、合計3本を順に処刑する。
 革命の最後は処刑と相場が決まっているのだ。

 歯を削られるのにはいい加減慣れたが、抜歯となると話は別である。
 砕いただの割っただの縫っただの腫れただのと恐ろしい噂をたびたび聞く。
 もはや暴力!これは口内暴力だ!
 だいたいこんな奥のモノをどーやって抜くんだ!

 「こんな奥に生えてるものを、どーやって抜くんですか?」

 美人助手は指を曲げてテコの原理みたいなジェスチャーをして答えた。

 「こーやって、エイッて」

 怖すぎる。

 「まあ、上の歯なんで、腫れることもないでしょうし、すぐ済みます」

 先生はそう言いながら、なんか金属の棒を口の中につっこんだ。
 口の右上の奥のほうで、メコッっと音がした。
 ああ、歯が浮いたな、これから何か恐ろしい道具でンギギィィーってやるんだな……

 「血が止まるまでガーゼを噛んでて下さい、お疲れ様でした」

 えっ済んでる。
 覚悟する間もなく、あっさりと、右上の親不知は処刑されたのであった。

 麻酔が切れてもまったく痛みを感じることは無かった。
 一晩、唾液が鉄の味になってしまったので、飲み込むのが気持ち悪く、
 唾液を溜めたまま「一行で笑ったら○○」系のスレを見たりして修行をした。



 左上「右上がやられたようだな……」
 右下「ククク……だが奴は三不知さんしらずの中でも最弱……とんだ面汚しよ……」

 革命はまだまだ続く!