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■2025-09-26 : サブカル白書白書
 俺は『いちご白書をもう一度』は聴いたことがあるのに、肝心の『いちご白書』が何なのかを知らなかった。
 これは妙なことだ。『ブラックジャック』が何なのか知らずに『ブラックジャックによろしく』を読んでるやつがいるか? 『オリビアを聴きながら』は知っているが、オリビア・ニュートン・ジョンがどんな歌を歌っているのかは知らないやつはけっこういるかも。これは違うか。


 さて、『いちご白書』が映画なのはわかる。そう歌われているからだ。ではどんな映画なのか。真面目に履修したいところだが、古くて有名な作品であることから、手っ取り早くAIに聞いてみよう。

Claude
『いちご白書』は1970年に公開されたアメリカ映画で、1960年代後期のコロンビア大学学生運動を背景にした青春映画です。
主人公のサイモン・カウフマンは平凡な大学生でしたが、恋人リンダとの関係を通じて次第に学生運動に関わっていきます。1968年に実際に起こったコロンビア大学の学園紛争をモチーフに、ベトナム戦争反対運動や大学の軍事研究への抗議活動が描かれています。
 概要はわかった。1970年……ちょうど日本では左翼学生運動が爆発しているころだ。原作はノンフィクションだそうなので、時代背景とガッチリあってヒットしたのだろう。


 で、この作品の原題は『The Strawberry Statement』である。
 なぜStrawberryなのかという点については、学長の「学生の意見などいちごが好きかどうか程度のくだらないもの」というような意味の煽りを受けて、学生側があえてそれを掲げたということらしい。
 そしてstatementは公式の声明、陳述、意見といった意味であり、白書(White paper)ではない。
 
 なぜこれを『いちご白書』と訳したのかはわからない。
 「白書」とは辞書的には「政府の作成する報告書」である。原作が小説としてまとめられているから「声明」よりそれらしいと思ってのことだろうか。
 調べてみると、これより10年ほど前に『大人には分からない・青春白書』(1958年)という映画があり、これも大人に反抗する若者の話のようなので、あらかじめ「白書」に「青春」のイメージを重ねる下地があった可能性はある。


 ここに冒頭の『いちご白書をもう一度』(1975年)の大ヒットが追い打ちをかけ、世間に「白書とは若者の青春を綴ったもの」というイメージを強力にすり込んでいったであろうことが推測できる。
 1980年にはコバルト文庫から『クララ白書』シリーズが出版され、そして1990年代にはあの『幽☆遊☆白書』、『あすなろ白書』、そして『ビバリーヒルズ高校白書』が立て続けに発表。幽白が「白書」になったのは偶然であり別に青春を狙ったタイトルではないが、とにかくこれらが我々アラフォー世代に多方面から「白書=青春」を念押しする形になったと言えるだろう。

 こうして完全に白書は青春の象徴となり、ビバリーヒルズが高校白書から青春白書に変わったころには、プレバト俳句担当の先生が「『白書』だけで青春の要素を十分含んでいるので省略して良い」と添削するくらいの事態になっていたのではないか。
 これならタイトルがクソ長いことで有名なバカゲー『夏色ハイスクル☆青春白書(略)』も2文字ツメることができる。2文字ツメたからなんだという話だが。
 ともあれ、以上がサブカルチャーにおける白書の青春化について、俺が調べられるだけ調べた報告書である。いわばサブカル白書白書といえよう。
 
 ところで我が国の白書のうち、外務省だけは「外交青書」を出しているが、あまりにも青春すぎる字面だ。これはひょっとしたら青春白書を省略してしまったのかもしれない。そんなわけあるか。

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