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■2023-08-26 : ガイド・トゥ・ザ・ギャラクシー
42歳になった。
厄がどうとか言っている場合ではない。42とはこれすなわち「生命、宇宙、その他もろもろの究極の疑問の答え」であり、深遠なる叡智なのである。
しかし妙な話ではないか。いまやGoogle先生のみならず、bingAIに聞いてもアレクサに聞いても生命、宇宙、その他もろもろの究極の疑問の答えが42であることが即答される。俺はそれを引き写しているだけだ。
実際に究極の疑問の答えを計算したわけではないのに、答えが42であることだけを知っているというのは、カンニングのようであまり気持ちが良くない。
なので、42歳になる前に、このやり取りが出てくる1979年の名作SF『銀河ヒッチハイク・ガイド』を読んだ。ちゃんと生命、宇宙、その他もろもろの究極の疑問の答えが42であることを確かめなければいけない。
『銀河ヒッチハイク・ガイド』の中で、高次元知的生命体は生命、宇宙、その他もろもろの究極の疑問の答えを計算すべく、ディープ・ソートというべらぼうなコンピューターを設計・起動する。そのコンピューターが750万年にわたる計算の末に出した答えがこの「42」であった。
そして「42は間違いなく究極の答えであり、意味がわからないのであれば問いが間違っている」という話になり、今度は問いのほうを究極の問いにすべく究極のコンピューターが作られる。その結末については……古い小説なのでネタバレに配慮することはないと思うが、これを見て原作にあたってくれる人がいるかもしれないので伏せておこう。
こうして俺は42歳になる前に、42が生命、宇宙、その他もろもろの究極の疑問の答えであることを確認することができた。これを俺は「紙上聖地巡礼」と呼んでいる。ネタを使うときにはできるだけ元ネタを履修することでリスペクトを示していきたい。さすがに古い作品だと図書館に頼ることになるが……
『ブラック・ジョーク大全』阿刀田 高 ……リスペクトを示していきたい。
厄がどうとか言っている場合ではない。42とはこれすなわち「生命、宇宙、その他もろもろの究極の疑問の答え」であり、深遠なる叡智なのである。
しかし妙な話ではないか。いまやGoogle先生のみならず、bingAIに聞いてもアレクサに聞いても生命、宇宙、その他もろもろの究極の疑問の答えが42であることが即答される。俺はそれを引き写しているだけだ。
実際に究極の疑問の答えを計算したわけではないのに、答えが42であることだけを知っているというのは、カンニングのようであまり気持ちが良くない。
なので、42歳になる前に、このやり取りが出てくる1979年の名作SF『銀河ヒッチハイク・ガイド』を読んだ。ちゃんと生命、宇宙、その他もろもろの究極の疑問の答えが42であることを確かめなければいけない。
『銀河ヒッチハイク・ガイド』の中で、高次元知的生命体は生命、宇宙、その他もろもろの究極の疑問の答えを計算すべく、ディープ・ソートというべらぼうなコンピューターを設計・起動する。そのコンピューターが750万年にわたる計算の末に出した答えがこの「42」であった。
「わかりました」ディープ・ソートは言った。「深遠なる疑問の答えは……」
「答えは……!」
「生命、宇宙、その他もろもろの答えは……」とディープ・ソート。
「答えは……!」
「答えは……」ディープ・ソートは言い、また口をつぐんだ。
「答えは……!」
「答えは……」
「答えは……!!……?」
「四十二です」ディープ・ソートは、はてしない威厳をこめ、あくまでも落ち着きはらって答えた。- 銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)
そして「42は間違いなく究極の答えであり、意味がわからないのであれば問いが間違っている」という話になり、今度は問いのほうを究極の問いにすべく究極のコンピューターが作られる。その結末については……古い小説なのでネタバレに配慮することはないと思うが、これを見て原作にあたってくれる人がいるかもしれないので伏せておこう。
こうして俺は42歳になる前に、42が生命、宇宙、その他もろもろの究極の疑問の答えであることを確認することができた。これを俺は「紙上聖地巡礼」と呼んでいる。ネタを使うときにはできるだけ元ネタを履修することでリスペクトを示していきたい。さすがに古い作品だと図書館に頼ることになるが……
『ブラック・ジョーク大全』阿刀田 高