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以下の記事へのツッコミです
■2016-05-09 : BRA★BRA FINAL FANTASY
娘を預けて吹奏楽のコンサートに行ってきた。
もちろん普通のコンサートでなくてこれ。
BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO
何度も述べている通り、俺には「ゲーム音楽単体で泣ける」という不可解な性質がある。そこに目をつけたあんどう君がチケットを押さえてきた。なんということだ。このままではコンサートホールでガチ泣きする不審な男になってしまう。
身の危険を感じた俺はすぐにCDを手に入れて予習を始めた!
そして確信した!
ダメだ……これダメなやつしかない……!
ダンジョンメドレーとかいう地味~な奴にすら俺の涙腺が反応している……!
もはや顔面鼻水まみれになる悲愴な覚悟を決めて俺は当日を迎えた。
物販コーナーで限定版のCDを買ったあと、アンケートに記入する。なんでも「思い出の一曲」について書くと、コンサートの途中のMCでラジオのお葉書のように読まれるらしい。一曲なんて無理だろと思ったが、昔バイエルに載っていて初めて両手で弾けた「迷いの森」を書いておいた。
開演後さっそく植松伸夫本人による前説が始まる。「題名のない音楽会」で見たノリのよさがそのままこの静岡の地で至近距離で拝めるとはすごいイベントに来てしまったぞ。ここより先は当日のセットリストに一部言及するので注意してほしい。セットリストは地域によって変わるらしいけれど。
まずは予告されていたFFバトル2メドレーでスタート。FF4のボス戦闘曲、FF5のボス戦闘曲と続いて、いったん木管楽器のつなぎの部分が入ったあとFF6の三闘神戦が一気に展開してくるところが特に涙腺に来るわけだけど、こうして余裕を持って構えていられるのも予習してさんざん部屋の隅で感涙にむせびながら天井を見上げていたからで、そうでなければ一撃死まちがいなし。危ないところだったぜ(顎まで伝った涙を拭いながら)。
星降る峡谷(FF7コスモキャニオン)は、静かな序盤を心地よく聞いていると終盤の急激な盛り上がりに涙腺が対応できず死ぬ。この曲で太鼓だけじゃなくてシンバルとか打ってくるの壮大すぎてずるい。なによりFF7の曲はプレイステーション登場時の郷愁と分かちがたいのでずるい。同じ理由でFF4もずるい。
大部分が退場して、木管系の小編成で演奏されるFF1/2/3 フィールド・メドレーは同行したあんどう君の涙腺も破壊した。予習が足りないからだぜ(鼻に入りそうになった涙を拭いながら)。静かな展開ながら最後に1/2/3のメロディーが渾然一体となって脳にデルタアタックを仕掛けてくるので初見だと涙腺が即死するのである。
「題名のない音楽会」で見たのでたぶん来るだろうなと思っていたのがFFモーグリのテーマで、これは観客が手拍子などのボディパーカッションで参加する演目。ティンパニ奏者のモーグリお兄さんによる破天荒なレクチャーが行われ、存分に手を叩き足を踏みならした。参加するタイミングになると植松さんや指揮者の栗田さんが笑顔で促してくるのが心地よい。
ゴールドソーサーは全員リコーダーでの演奏。童心あふれる楽器で絢爛な曲を演奏するという変化球の編曲ながら、これがなぜか賛美歌のような謎の荘厳さを生むのである。「題名のない音楽会」でFFメインテーマをリコーダー演奏したときはオモチャ感あふれるクリアボディのリコーダーだったが、今回はちゃんとしたリコーダーだった。なおFFメインテーマはこのあと参加企画として演奏され、会場からもリコーダー所持者による演奏が加えられた。音量調整していたけどどうやってバランスとってんだすげえな。
前半戦最後はハンターチャンスで、これはFF9の曲が「時忘れの迷宮」のサントラにアレンジで入っていたのをよく聴いていたので感慨深さがある。問題はFF9も時忘れの迷宮もどちらも1ミリもプレイしていないのでこの涙が何を根拠に流れてくるのかがわからないことだ。
休憩を挟んで後半戦はMCもなしに突然のビッグブリッヂの死闘から始まる。これについてはもう原曲からして緩急のつけどころがハッキリしていてずるい。特にこの編曲では最後にグッと沈んでグッと持ち上げてからまたタメを入れて、ティンパニが「デン!ドデン!デデドン!」って打ち鳴らされるところが涙腺に大ダメージ来るんだけど、そういえばこの人さっきモーグリお兄さんやってたなと思ったらなんとか正気を保てた。
開演前に書いたアンケートは、そのうち5つほどが読まれたわけだけど、この間BGMとしてハープの人がソロでエアリスのテーマとかバラムガーデンとかを爪弾いていてめちゃくちゃ贅沢だった。「思い出の一曲」は別にFF関係でなくても読まれるのね。普通にクラシックの曲を挙げてる人もいた。そして突如読まれる「あんどう」さんのアンケート。思い出の一曲はFFメインテーマ。なんだこれ……植松伸夫本人の口からあんどう君とお父様との思い出が読まれているぞ……ハープの生演奏をバックに……どういうことだよ……ここがヴァルハラかよ……。
失神しそうになってたらいつのまにか演奏者が減っていたので、これは予告されてた魔導士ケフカが来るぞと防御態勢を固めていたら、そのままザナルカンドにて→Fragments of Memoriesと少人数アンサンブル3連戦が来た。ジャジーなアレンジの効いたケフカの後に、ゲームでは一切心を動かされなかったくせに「題名のない音楽会」でガチ泣きしたザナルカンドで、弱った涙腺にFF8のウィンヒルが来るのがたまらない。特にウィンヒルは油断していた。FF8はラグナの物語。
もはや髪型しか覚えていないレベルのシーモアバトルも、生演奏となると金管木管の各パートが押し合いへし合いしてくるような編曲のせいでかなり攻撃力が高い。そしてプログラム最後が片翼の天使。グワーッ!CDにない!!だが「題名のない音楽会」でやった曲だしたぶん来るだろと思っていたので何とか耐えた!「セフィロス!」の部分の叩きつけるかのような迫力には参ったが、会場にセットされた鐘はこの「カーン…」のためだけにあったんだと思うとちょっとじわじわ笑えてきた。
アンコールは、楽器持ち込み可の参加企画であるマンボdeチョコボであることはわかっていたので、じっくりみんなで拍手をしていたところ、指揮者の栗田さんがヒョコッと戻ってきてタクトを振り上げた。おい待てこのイントロはThe Man with the Machine Gunだ!不意打ちでこれはずるい。CD聞いて10秒で涙腺のことを諦めた曲はほかにない。しかもこれ生演奏だとドラムの迫力がすごい。もうスネアひっぱたきまくりですごい。すごいよこれ(語彙も死亡)。
最後の最後のマンボdeチョコボは、観客の吹奏楽部ガチ勢からマラカス部隊までが舞台に上がってえらいことになる。
壇上に上がる参加者 すげえ人数なのがおわかりいただけるだろうか。シエナのメンバーの隙間にもみっちり。このマンボdeチョコボだけは写真撮影可で、SNS等に掲載することも可、というか推奨されていた。聴くだけでなく演奏する楽しさも知ってほしい、広めたいというブレない姿勢を感じる。
ところで会場で鼻をすする音がたまに聞こえたので「やい~~!俺以上に泣いてる奴がいるぞ!見てやろう!」とチラ見したらあからさまに花粉症の人だった。あ……そうですよね……花粉症……アレルギー……まさかこの意味不明な涙と鼻水はアレルギー反応……?
ゲーム音楽のコンサートは世界的に増えているようで(参考記事)、崇高なるクラシック愛好家の間では苦言も出ているようだけど、今まさに一般の民衆にオーケストラの新曲を提供しているのはベートーヴェンやモーツァルトでなくゲームや映画なわけで、その点において異端でもなければ低俗なものであるはずがないのである。もっともっとこういう音楽に触れる機会が増えて欲しいと願う。
もちろん普通のコンサートでなくてこれ。
BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO
何度も述べている通り、俺には「ゲーム音楽単体で泣ける」という不可解な性質がある。そこに目をつけたあんどう君がチケットを押さえてきた。なんということだ。このままではコンサートホールでガチ泣きする不審な男になってしまう。
身の危険を感じた俺はすぐにCDを手に入れて予習を始めた!
そして確信した!
ダメだ……これダメなやつしかない……!
ダンジョンメドレーとかいう地味~な奴にすら俺の涙腺が反応している……!
もはや顔面鼻水まみれになる悲愴な覚悟を決めて俺は当日を迎えた。
物販コーナーで限定版のCDを買ったあと、アンケートに記入する。なんでも「思い出の一曲」について書くと、コンサートの途中のMCでラジオのお葉書のように読まれるらしい。一曲なんて無理だろと思ったが、昔バイエルに載っていて初めて両手で弾けた「迷いの森」を書いておいた。
開演後さっそく植松伸夫本人による前説が始まる。「題名のない音楽会」で見たノリのよさがそのままこの静岡の地で至近距離で拝めるとはすごいイベントに来てしまったぞ。ここより先は当日のセットリストに一部言及するので注意してほしい。セットリストは地域によって変わるらしいけれど。
まずは予告されていたFFバトル2メドレーでスタート。FF4のボス戦闘曲、FF5のボス戦闘曲と続いて、いったん木管楽器のつなぎの部分が入ったあとFF6の三闘神戦が一気に展開してくるところが特に涙腺に来るわけだけど、こうして余裕を持って構えていられるのも予習してさんざん部屋の隅で感涙にむせびながら天井を見上げていたからで、そうでなければ一撃死まちがいなし。危ないところだったぜ(顎まで伝った涙を拭いながら)。
星降る峡谷(FF7コスモキャニオン)は、静かな序盤を心地よく聞いていると終盤の急激な盛り上がりに涙腺が対応できず死ぬ。この曲で太鼓だけじゃなくてシンバルとか打ってくるの壮大すぎてずるい。なによりFF7の曲はプレイステーション登場時の郷愁と分かちがたいのでずるい。同じ理由でFF4もずるい。
大部分が退場して、木管系の小編成で演奏されるFF1/2/3 フィールド・メドレーは同行したあんどう君の涙腺も破壊した。予習が足りないからだぜ(鼻に入りそうになった涙を拭いながら)。静かな展開ながら最後に1/2/3のメロディーが渾然一体となって脳にデルタアタックを仕掛けてくるので初見だと涙腺が即死するのである。
「題名のない音楽会」で見たのでたぶん来るだろうなと思っていたのがFFモーグリのテーマで、これは観客が手拍子などのボディパーカッションで参加する演目。ティンパニ奏者のモーグリお兄さんによる破天荒なレクチャーが行われ、存分に手を叩き足を踏みならした。参加するタイミングになると植松さんや指揮者の栗田さんが笑顔で促してくるのが心地よい。
ゴールドソーサーは全員リコーダーでの演奏。童心あふれる楽器で絢爛な曲を演奏するという変化球の編曲ながら、これがなぜか賛美歌のような謎の荘厳さを生むのである。「題名のない音楽会」でFFメインテーマをリコーダー演奏したときはオモチャ感あふれるクリアボディのリコーダーだったが、今回はちゃんとしたリコーダーだった。なおFFメインテーマはこのあと参加企画として演奏され、会場からもリコーダー所持者による演奏が加えられた。音量調整していたけどどうやってバランスとってんだすげえな。
前半戦最後はハンターチャンスで、これはFF9の曲が「時忘れの迷宮」のサントラにアレンジで入っていたのをよく聴いていたので感慨深さがある。問題はFF9も時忘れの迷宮もどちらも1ミリもプレイしていないのでこの涙が何を根拠に流れてくるのかがわからないことだ。
休憩を挟んで後半戦はMCもなしに突然のビッグブリッヂの死闘から始まる。これについてはもう原曲からして緩急のつけどころがハッキリしていてずるい。特にこの編曲では最後にグッと沈んでグッと持ち上げてからまたタメを入れて、ティンパニが「デン!ドデン!デデドン!」って打ち鳴らされるところが涙腺に大ダメージ来るんだけど、そういえばこの人さっきモーグリお兄さんやってたなと思ったらなんとか正気を保てた。
開演前に書いたアンケートは、そのうち5つほどが読まれたわけだけど、この間BGMとしてハープの人がソロでエアリスのテーマとかバラムガーデンとかを爪弾いていてめちゃくちゃ贅沢だった。「思い出の一曲」は別にFF関係でなくても読まれるのね。普通にクラシックの曲を挙げてる人もいた。そして突如読まれる「あんどう」さんのアンケート。思い出の一曲はFFメインテーマ。なんだこれ……植松伸夫本人の口からあんどう君とお父様との思い出が読まれているぞ……ハープの生演奏をバックに……どういうことだよ……ここがヴァルハラかよ……。
失神しそうになってたらいつのまにか演奏者が減っていたので、これは予告されてた魔導士ケフカが来るぞと防御態勢を固めていたら、そのままザナルカンドにて→Fragments of Memoriesと少人数アンサンブル3連戦が来た。ジャジーなアレンジの効いたケフカの後に、ゲームでは一切心を動かされなかったくせに「題名のない音楽会」でガチ泣きしたザナルカンドで、弱った涙腺にFF8のウィンヒルが来るのがたまらない。特にウィンヒルは油断していた。FF8はラグナの物語。
もはや髪型しか覚えていないレベルのシーモアバトルも、生演奏となると金管木管の各パートが押し合いへし合いしてくるような編曲のせいでかなり攻撃力が高い。そしてプログラム最後が片翼の天使。グワーッ!CDにない!!だが「題名のない音楽会」でやった曲だしたぶん来るだろと思っていたので何とか耐えた!「セフィロス!」の部分の叩きつけるかのような迫力には参ったが、会場にセットされた鐘はこの「カーン…」のためだけにあったんだと思うとちょっとじわじわ笑えてきた。
アンコールは、楽器持ち込み可の参加企画であるマンボdeチョコボであることはわかっていたので、じっくりみんなで拍手をしていたところ、指揮者の栗田さんがヒョコッと戻ってきてタクトを振り上げた。おい待てこのイントロはThe Man with the Machine Gunだ!不意打ちでこれはずるい。CD聞いて10秒で涙腺のことを諦めた曲はほかにない。しかもこれ生演奏だとドラムの迫力がすごい。もうスネアひっぱたきまくりですごい。すごいよこれ(語彙も死亡)。
最後の最後のマンボdeチョコボは、観客の吹奏楽部ガチ勢からマラカス部隊までが舞台に上がってえらいことになる。
壇上に上がる参加者
ところで会場で鼻をすする音がたまに聞こえたので「やい~~!俺以上に泣いてる奴がいるぞ!見てやろう!」とチラ見したらあからさまに花粉症の人だった。あ……そうですよね……花粉症……アレルギー……まさかこの意味不明な涙と鼻水はアレルギー反応……?
ゲーム音楽のコンサートは世界的に増えているようで(参考記事)、崇高なるクラシック愛好家の間では苦言も出ているようだけど、今まさに一般の民衆にオーケストラの新曲を提供しているのはベートーヴェンやモーツァルトでなくゲームや映画なわけで、その点において異端でもなければ低俗なものであるはずがないのである。もっともっとこういう音楽に触れる機会が増えて欲しいと願う。