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■2015-01-02 : 私はベイマックス
 新年早々、娘をワイフの実家に預けて『ベイマックス』を観てきたぞ。
 やたらハートフルな予告編を見て「また予告詐欺か」と渋い顔をしていたが、ハートフルストーリーを期待して観に来た層をロボットもののアツさに巻き込むだけの自信があったのだな。王道でわかりやすく熱い展開を真っ正面から繰り広げていて良かった。

 細かいところだけど、初めてベイマックスが登場したときの振る舞いがよかった。
 呼ばれてこちらに歩いてくる途中、進行ルート上にあったイスを横にどかしてからやってくる。これが2回目の登場の時になると、棚に当たって本を落としてしまうが、それは構わずにこちらへやってくる。優先順位をきちんとつけているなと思った。人工知能にとってはこういうファジーな状況判断は極めて難しいものだと聞いたことがある。プログラミングした兄タダシのワザマエが表現されている。

 ところでタダシは何を思って介護ロボットに「Baymax」なんてカッコイイ名前をつけちゃったんだろう。明らかに武装前提の語感だ。原作改変の歪みが感じられるな。



 以降は多少内容に踏み込むので、観る予定があってファーストインプレッションを大切にする人は読み飛ばすこと。

 ロボットものの醍醐味というか、ロボットをメインに据えるのであれば、そのロボットが自己犠牲的行動を取る展開がいちばんアツいと思っている。もちろんその期待にはちゃんと応えてくれた。
 しかし大人になってしまった私は「データのバックアップなんて当然あるだろうし、すぐ同じ機体が作れるだろ……」と要らんことを考えてしまうのだ。これではせっかくの自己犠牲展開が台無しだ。早急に何か反論を考えなければならない。
 一番手っ取り早いのは「兄タダシしか作れないオーバーテクノロジーである」だが、主人公は兄よりテンサイであるので説得力がない。次にジョジョ6部の「それはきっと別のフー・ファイターズ……あたしじゃあないと思う」的展開だがこれだと復活ができないので大団円にならない。

 やはり「バックアップが無かった」と考えるのが一番自然かもしれない……劇中ではベイマックスが戦い始めてからほとんど時間がたっておらず、兄の作ったシステムを解析して全てバックアップするだけの時間がなかった……と考えればなんとか理由がつけられるような……いや、ダメだ。兄タダシも有能なエンジニアだ、彼自身が亡くなる前にPC内にバックアップを用意しておかないわけがない。

 まさか!兄タダシは!自分に不慮の事故が起こったとき、ベイマックスに自分のHDDをフォーマットさせていたのでは!?天才エンジニアといえ若い男子、死んでもHDDの中身だけは見られるわけにはいかないはず……!
 
 「私はベイマックス。タダシの尊厳を守ります」

 すごいなベイマックス!ありがとうベイマックス!!

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