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■2003-07-23 : テンパイ気配
昨夜、バイトから帰ってきた俺を意外な罠が待ち受けていた。
犬が外にでないよう、庭に木戸が設置してあるのだが、この木戸に手をかけようとして異変に気付いたのだ。
何かがくっついて、ぶら下がっている。
暗闇の中目をこらしてみると、それは自らの抜け殻にしがみついた白いセミだった。
なにもこんな不安定な場所でテンパらなくてもいいのに。
木戸は立て付けが悪く、静かに開け閉めすることができない。
彼――便宜上「おくだ セミお」と名付けるが――は、土中から出てきたと思ったらさっそく窮地に立たされたわけである。不運な奴だ。いや、俺が勢いよく木戸を開けていたら振り落とされていただろう。そういう意味では幸運な奴なのかもしれない。
しかし、このままセミおがテンパってるのを見守っていたら夜が明けてしまう。
なんとかそおっと扉を開け、閉めるのはあきらめて、家に入った。
明日の朝雨が降るかなと思っていたが、セミおがわざわざ出てきたんだ。きっと明日は晴れだろう。
よく晴れた翌朝、扉にはセミの抜け殻だけが残されていた。
行ってらっしゃい。おくだ セミお。
犬が外にでないよう、庭に木戸が設置してあるのだが、この木戸に手をかけようとして異変に気付いたのだ。
何かがくっついて、ぶら下がっている。
暗闇の中目をこらしてみると、それは自らの抜け殻にしがみついた白いセミだった。
なにもこんな不安定な場所でテンパらなくてもいいのに。
木戸は立て付けが悪く、静かに開け閉めすることができない。
彼――便宜上「おくだ セミお」と名付けるが――は、土中から出てきたと思ったらさっそく窮地に立たされたわけである。不運な奴だ。いや、俺が勢いよく木戸を開けていたら振り落とされていただろう。そういう意味では幸運な奴なのかもしれない。
しかし、このままセミおがテンパってるのを見守っていたら夜が明けてしまう。
なんとかそおっと扉を開け、閉めるのはあきらめて、家に入った。
明日の朝雨が降るかなと思っていたが、セミおがわざわざ出てきたんだ。きっと明日は晴れだろう。
よく晴れた翌朝、扉にはセミの抜け殻だけが残されていた。
行ってらっしゃい。おくだ セミお。