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■2002-06-22 : 漫研なんだから漫画でも研究するか
 最近、どうしたことか「銀牙 流れ星・銀」を読破した。
 これはたいへん興味深い作品だった。

 この「銀牙」、最初は少年と子犬が熊と戦う話だったのだが、途中から徐々に方向転換、犬同士の友情と戦いの話になっていき、そのうち人間キャラはチョイ役でしか登場しなくなる。
 そして、最終的には、
  「満一歳の子犬が、必殺技の名前を叫びながら、巨大な熊の首をブッ飛ばす」
 というドすげえ話になってしまう。

 だからといってこの作品を嘲笑しようというつもりは毛頭ない。ただ、純粋に興味深いのである。
 この展開が、作者の望んだものかはどうでもいい。方向転換の結果、良くなったのか悪くなったのかも考慮しない。しかし、もしこの作品が少年誌に連載されていなかったら、ここまですごい展開にはならなかったであろうことは予想できる。
 方向転換してからの「銀牙」は、まさしく「少年漫画」になったのだ。
 有名どころでは「幽☆遊☆白書」がこういう変化を遂げていた。作品の途中から「少年漫画」の魔力が作品にある一定のベクトルをもった力を加える。その力を受けて、作品がその方向に変化する。
 「銀牙」は、主人公が犬であり宿敵の熊がいる…というベースがあり、それが「少年漫画」の魔力を受けた結果、前述のようなドすげえ展開になったのだろう。重ねて言うが、結果の良し悪しは考慮しない。

 ここで、ふと心当たりがあった。
 方向転換した、というわけではないけれども、「必殺シュートの名前を叫びながら、ディフェンダーをブッ飛ばし、ネットを突き破る」例のマンガは、まさしく「少年漫画」なのだ。
 サッカーマンガではなく、「サッカーをベースにした少年漫画」なのだ。
 「少年漫画」の魔力というのはとても興味深い。

Quiz-Authentication 2.255

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