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■2001-09-23 : 草薙大龍勢
今日は大学の所在地・草薙のお祭りの日だ。
最近所属したサークル「草薙すくえあ」の活動の一環として、俺と御白州氏とRicer君は草薙駅へ向かった。
大龍勢というのは…まあ簡単にいうと全長20mはあろうかという巨大ロケット花火なのだが、詳しい説明は草薙すくえあのほうで特集されているので割愛する。
正午の時報とともに、草薙駅前からお神輿が発進し、草薙神社へと向かっていった。もちろん草薙すくえあのスタッフもそれを追う。
草薙神社に運び込まれた数々の龍勢。これらを前に神々しい儀式がとりおこなわれてゆく。
そんなとき。
我々の前に三組のハッピとヘルメットが差し出された。草薙すくえあで取材をしていたという中ノ郷龍勢保存会の方のものだ。
我々のなかから3名が、龍勢の運搬をお手伝いするらしい。俺は取材には関わっていないから初耳だ。ていうか見に来たのすら初だ。しかもなんかその場のノリで俺と御白州氏はその3名の一角に選ばれていた。
まあいいや、貴重な体験だし、というわけで俺も打ち上げ台まで龍勢を運んでいった。
そして、作業が終わったら半径300m以内から退去した。こんな巨大なロケット花火を打ち上げるのだから、どこに本体が落ちてくるかわからない。そのため厳重な警備がしかれているのだ。身をもって体験したからその厳重さは折り紙つきである。まあ実際の燃えかすは300mを軽く超えた地点に墜落することも珍しくなかったが。あれどうなったんだろう?
まあそういうわけで、離れた地点から龍勢の打ち上げを見物していたのだが、これがなかなかうまく打ちあがらない。
失敗続きのようである。次々と発射に失敗し、高くそびえる発射台で爆発する龍勢。
多くの観客は、先のアメリカの自爆テロの光景を連想し、俺も気分的にちょっとへこんだ。ヴィジュアル的にヤバすぎる。
しかし、我々が運んだあの中ノ郷の龍勢は見事雲一つない秋空に打ち上げられ、その後も順調に打ち上げが成功し、
ようやく会場はお祭りの様相を呈してきた。
続いて夜の部である。昼間の部は音と煙で魅せる「龍勢」だが、夜は光と音がメインの「流星」である。読みはどちらもリュウセイだが。
今度は中ノ郷の流星の打ち上げを手伝うことになった。すでに俺の脳にはビールが一缶入っており、かなり愉快な気分で打ち上げ現場へ向かった。どうでもいいが御白州氏よ、別にいいじゃねぇかスプライトをつまみにビール飲んだって。俺ァジュースがなきゃアルコール飲めねぇんだ。
しかし現場へついてビックリ。なぜか中ノ郷龍勢保存会の方が一人もいねぇ。マジすか。我々3名は編集長のジョニーさんを除いては初参加っていうか初めて見に来た連中。スタンバイ位置まで流星を運んだがまだ誰も来ない。えー…と、困ったな。そんな話をしていたら、一つ前の流星が打ち上げられ、飛んできた花火がかなりの近距離で炸裂した。
怖っ!!
人間、死を予感するとなんかまわりがスローモーションになるよ。
…シロウト3人が点火したらどうなるだろう?最初のころの龍勢のように発射台で爆発するのだろうか?Ricer君に遺言を託してくるのを忘れた。そんなことまで考え始めたころ、ようやく保存会の方が到着。あぶねぇあぶねぇ。なんとか流星を発射台に固定することができた。
さんざん心配して、ようやく打ち上がった流星はとても美しかった。しかも至近距離、落下物の危険を考えなければ特等席である。感動した。一つ一つの流星に込められた男達の魂を感じた。この感動は筆舌に尽くしがたい。まったく稚拙な執筆者で申し訳ない。
とりあえず、中ノ郷龍勢保存会のテントに戻って乾杯した。
お祭りなんて久しぶりだ。予想もしなかったエキサイティングな一日となった。
◆10月8日 追記
実家に帰って家族に熱っぽく大龍勢の話をしたところ、
父に「なんだ?お前の下宿からも見えたのか?」と言われた。
どうやら、偶然、俺の両親も初めて大龍勢を見に来ていたらしい。
まさか自分の息子が発射台の下でその龍勢を打ち上げる手伝いをしていたとは夢にも思わずに。
まさか自分の息子が奥のテントで関係者と飲んでいるとは夢にも思わずに。
運命とはよくわからぬものである。
最近所属したサークル「草薙すくえあ」の活動の一環として、俺と御白州氏とRicer君は草薙駅へ向かった。
大龍勢というのは…まあ簡単にいうと全長20mはあろうかという巨大ロケット花火なのだが、詳しい説明は草薙すくえあのほうで特集されているので割愛する。
正午の時報とともに、草薙駅前からお神輿が発進し、草薙神社へと向かっていった。もちろん草薙すくえあのスタッフもそれを追う。
草薙神社に運び込まれた数々の龍勢。これらを前に神々しい儀式がとりおこなわれてゆく。
そんなとき。
我々の前に三組のハッピとヘルメットが差し出された。草薙すくえあで取材をしていたという中ノ郷龍勢保存会の方のものだ。
我々のなかから3名が、龍勢の運搬をお手伝いするらしい。俺は取材には関わっていないから初耳だ。ていうか見に来たのすら初だ。しかもなんかその場のノリで俺と御白州氏はその3名の一角に選ばれていた。
まあいいや、貴重な体験だし、というわけで俺も打ち上げ台まで龍勢を運んでいった。
そして、作業が終わったら半径300m以内から退去した。こんな巨大なロケット花火を打ち上げるのだから、どこに本体が落ちてくるかわからない。そのため厳重な警備がしかれているのだ。身をもって体験したからその厳重さは折り紙つきである。まあ実際の燃えかすは300mを軽く超えた地点に墜落することも珍しくなかったが。あれどうなったんだろう?
まあそういうわけで、離れた地点から龍勢の打ち上げを見物していたのだが、これがなかなかうまく打ちあがらない。
失敗続きのようである。次々と発射に失敗し、高くそびえる発射台で爆発する龍勢。
多くの観客は、先のアメリカの自爆テロの光景を連想し、俺も気分的にちょっとへこんだ。ヴィジュアル的にヤバすぎる。
しかし、我々が運んだあの中ノ郷の龍勢は見事雲一つない秋空に打ち上げられ、その後も順調に打ち上げが成功し、
ようやく会場はお祭りの様相を呈してきた。
続いて夜の部である。昼間の部は音と煙で魅せる「龍勢」だが、夜は光と音がメインの「流星」である。読みはどちらもリュウセイだが。
今度は中ノ郷の流星の打ち上げを手伝うことになった。すでに俺の脳にはビールが一缶入っており、かなり愉快な気分で打ち上げ現場へ向かった。どうでもいいが御白州氏よ、別にいいじゃねぇかスプライトをつまみにビール飲んだって。俺ァジュースがなきゃアルコール飲めねぇんだ。
しかし現場へついてビックリ。なぜか中ノ郷龍勢保存会の方が一人もいねぇ。マジすか。我々3名は編集長のジョニーさんを除いては初参加っていうか初めて見に来た連中。スタンバイ位置まで流星を運んだがまだ誰も来ない。えー…と、困ったな。そんな話をしていたら、一つ前の流星が打ち上げられ、飛んできた花火がかなりの近距離で炸裂した。
怖っ!!
人間、死を予感するとなんかまわりがスローモーションになるよ。
…シロウト3人が点火したらどうなるだろう?最初のころの龍勢のように発射台で爆発するのだろうか?Ricer君に遺言を託してくるのを忘れた。そんなことまで考え始めたころ、ようやく保存会の方が到着。あぶねぇあぶねぇ。なんとか流星を発射台に固定することができた。
さんざん心配して、ようやく打ち上がった流星はとても美しかった。しかも至近距離、落下物の危険を考えなければ特等席である。感動した。一つ一つの流星に込められた男達の魂を感じた。この感動は筆舌に尽くしがたい。まったく稚拙な執筆者で申し訳ない。
とりあえず、中ノ郷龍勢保存会のテントに戻って乾杯した。
お祭りなんて久しぶりだ。予想もしなかったエキサイティングな一日となった。
◆10月8日 追記
実家に帰って家族に熱っぽく大龍勢の話をしたところ、
父に「なんだ?お前の下宿からも見えたのか?」と言われた。
どうやら、偶然、俺の両親も初めて大龍勢を見に来ていたらしい。
まさか自分の息子が発射台の下でその龍勢を打ち上げる手伝いをしていたとは夢にも思わずに。
まさか自分の息子が奥のテントで関係者と飲んでいるとは夢にも思わずに。
運命とはよくわからぬものである。