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北関東放浪記

埼玉・茨城2026

北関東放浪記
 「キャンベルタウン野鳥の森には、オカメインコが放し飼いにされている」
 そういう話を聞いていた。しかし埼玉県越谷市はやや遠い。気軽に行ける距離ではない。

 そうして「遠いな~~」と思いながらGoogleマップをいじっていると、昔作った「死ぬまでに一度は行きたい場所リスト」の星がひとつ、同じ市内に表示されていることに気がついた。
 それはとあるレストランで、これもさすがにランチ食うためだけに埼玉県まで行くのは遠いなと思っていたところだった。
 そのことをワイフに知らせたところ、以前計画したものの突然の大雪でキャンセルした茨城旅行が墓地から復活してきた。

 「では埼玉と茨城を合わせて1泊2日でゆこう」
 「ゆこう」

 そういうことになった。

■キャンベルタウン野鳥の森

 静岡から東名をぶっとばし、首都高を抜け、常磐自動車道をぶっとばす。
 東名高速道路上で線状降水帯を食らって前後不覚に陥り死をカクゴしたが、首都高に至るころには雨は収まっていたので事なきを得た。あれを首都高で食らっていたら分岐が見えず死んでいたであろう。
 常磐道を降り、越谷レイクタウンを北上する形で通過し、野鳥の森へ。休日の埼玉の道路、どこもめちゃめちゃ混んでいる。

キャンベルタウン野鳥の森
 キャンベルタウン野鳥の森は屋外を網で区切った巨大なバードケージである。キャンベルタウンとはオーストラリアの都市で、越谷市と姉妹提携をしているらしい。その縁でオーストラリアの鳥が飼育されている。
 入場料100円(小学生30円)というめちゃくちゃな価格設定で、動物園の1コーナーくらい充実した展示を見ることが可能だ。そんなん鳥さんのごはん代にもならないよお!

 そして放し飼いのオカメインコたちはたしかにそこにいた。手乗りになっていない自然に近い生活を見ることができる。
キャンベルタウン野鳥の森
 天然のオカメインコは灰色の面積が多い。メスなどはほぼ灰色で野鳥らしさがある。1ダースくらいの群れでそのへんの木にたかっている。意外と無駄に鳴いたりしないんだな……。
 さすがにこれより大きいオウム(キバタンとか)は放し飼いではなく金網の中だった。
 キンカチョウはスズメみたいなポジションでそのへんを歩き回っている。こいつらも無駄にペェペェ鳴かないな。

キャンベルタウン野鳥の森
 アッおまえはWINGSPANでよく使うナゲキバト……と思ったら違った。シラコバトは越谷市の市鳥なんだってさ。

 気がついたら1時間も鳥を見ていた。何時間でも居られそうな気がするが、おなかが空いたので次の目的地に移動する。

■トラットリア要

トラットリア要
 アアーッ!! 多国籍料理店クスクシエだ!!!
 冒頭に記した「死ぬまでに一度は行きたい場所リスト」のレストランがここで、言うまでもなくあの名作『仮面ライダーオーズ』の拠点ロケ地である。
 俺も今すぐここにパンツを干してマイペンライしたい!!!

 休日のランチタイムは混むので入れないかもしれない、しかし到着時間が読めないので、要らない持たない予約もしないFreeな状態で行くしかない……と覚悟していたが、ちょうど空席があり助かった形だ。

 店内の雰囲気はクスクシエと似ているが間取りはぜんぜん違う。
 アレッでも作中で、玄関の扉を開けてカメラが中に入るシーンあったよな……玄関前まで含めてスタジオにセットを作っていたのかな。

 1800円のランチセットを注文して、ワイフと娘氏はピザをシェアする作戦に出た。
トラットリア要
 いきなり1800円とは思えぬクオリティの前菜プレートが出てたいへんビビらされた。これにサラダとメインとドリンクとデザートがある。足し算を飛ばしてかけ算で駆け上がってって2500円くらい行くだろ。インフレに抗うお店だ。
 パスタもピザもめちゃめちゃ美味かった。

トラットリア要
 サラダにかかっていたオリジナルドレッシングがニンニクが効いていて最高だったので、買い求めた。
 こんなところにもオーズを使わせてくれる東映さん、まじ感謝ッス……。

■予科練平和記念館

 再び常磐道に戻って北上し、土浦へ。

 土浦は17年前に仕事のついでに寄って以来の来訪となる。
 広大な霞ヶ浦ぞいにはかつて、大日本帝国海軍の飛行場があり、飛行予科練習生の訓練が行われていた。

 予科練……。予科練については「漫画『はだしのゲン』の浩二あんちゃんが繰り出す予科練チョップの戻りモーションのキレがすごい」という知識しかない。
 そんな偏った知識しか持たぬ者に、予科練のなんたるかを教えてくれるのがここ、予科練平和記念館である。想像していたよりだいぶでかい施設だった。
予科練平和記念館
 零戦、フルカラーで見るとちょっと印象が違うな。

 飛行機に乗るためには並外れたフィジカルが必要なだけでなく、さまざまな学問を修めていないといけない。そういった条件をクリアしたエリートたちが、ここで飛行機に乗るべく訓練をしていた。
 しかし飛行機で戦場に出ればまあ死ぬ。出撃すればするほど死ぬ。最終的には特攻隊とかいう狂気の作戦で死ぬ。
 総力戦とかいうやつ、優秀な人材を花火のように消耗するのなに考えてんだ? 『スカイ・クロラ』みたいにコピーパイロットが次々と生産されてくるとでも思ってたのか?

 ここに残されている手紙は、訓練中の夢溢れる若者によるREALな手記であり、知覧の特攻平和会館にあるような死を目前とした鬼気迫るものではない。しかし先述のとおり、戦闘機乗りになるということはまあまあ死ぬわけで、死の1年半前に遺書を書いたりもしている。迫力のある展示であった。


 その後、土浦駅に向かい、駅ビル内のホテルにチェックインした。駅ビルになんで星野リゾート系列のホテルが入ってるんだ??
 土浦駅は自転車ユーザーを推しているらしく、このホテル内にも自転車の整備スペースが用意されている。霞ヶ浦を走る需要があるんだな。
 ロビーに変な本やボードゲームがあり、部屋に持ち込めるほか、部屋もロフトがあったりして、娘氏にはたまらん宿であった。

■こもれび森のイバライド

 本日の最初の目的地は「死ぬまでに一度は行きたい場所リスト」のひとつ「ポティロンの森」……いや今は「こもれび森のイバライド」に改名してずいぶん経つんだったな。
 ここも東映特撮でファンタジーめいた展開があるとすぐ出てくるので、ポティロンの森時代からいつか行こうと考えていたところだ。

 ただちょっと道中に看過できない建造物があるので寄っていこう。
牛久大仏
 グレート・ブッダ……! だいぶ遠くからでも視認できるので笑ってしまった。公式サイトのドメインが daibutu.net なのが強すぎる。
 ここには普通に墓地(牛久浄苑)があり、墓参りの人もちらほら見られた。牛久大仏のお寺の檀家ってどういう人なんだろう……。いや牛久浄苑のドメインも bosan.net で強すぎるな。
 ただ天気が悪く、拝観および登頂は見送った。霧に煙るグレートブッダの姿はほぼ汎用ヒト型決戦兵器であった。頼もしい。世界を救ってくれ。


 そこから10分ほど田園地帯をぶっとばすとイバライドに着く。駐車場が広すぎる。
 ここは静岡県で例えるとまかいの牧場と修善寺虹の郷を混ぜたような施設で、牧場やらクラフト体験やらアスレチックやらがある……が、そんなことはこの際どうでもよい。

こもれび森のイバライド
 入っていきなり『獣電戦隊キョウリュウジャー』の後期エンディングで竜星涼が踊っていた広場!!!
 『獣電戦隊キョウリュウジャー』の後期エンディングで竜星涼が踊っていた広場じゃあないか!!!
 これエントランスだったんだあ。

こもれび森のイバライド
 そして街エリア! ここは『仮面ライダーエグゼイド』のステージセレクトで出てきた覚えがある。
 しかしこれけっこう容赦なく現代的なモノが写りこむから、ファンタジー設定で通すときにはすごいいろいろ片づけするんだろうな。シルバニアファミリーがすごい推されているが、あいにく静岡県民は日本ランドHOW遊園地のシルバニアヴィレッジで耐性がついてるんだ。

こもれび森のイバライド
 これはシュゴッダム門。裏側が修復中だったので最初は気づかずにスルーしてしまった。

こもれび森のイバライド
 村エリアまで来るとだいぶシュゴッダムめいてくる。『王様戦隊キングオージャー』は外でのロケが少なかったので、主要な屋外バトルはだいたいここで行われた印象がある。
 それにしたって公式の第一話[Youtube](6:00~)を改めて確認すると、平然と塩ビの雨どいとかが写りこんでいて潔い。気にならないモンなんだなあ。

 娘氏が宝石探しで最高になったあと、名物のチーズソフトクリームを食べて次へ行くことにした。
 まあソフトクリームについては我が静岡の朝霧高原には勝てねえらと思っていたが、チーズソフトはほぼチーズケーキで凄かった。ナメていたと認めざるを得ない。ソフトクリームだけに。

■JAXA 筑波宇宙センター

 道中ワイフが発見したおそばやさんで昼食を確保し、車は筑波研究学園都市へ向かう。
 目的地はJAXA。道路がめちゃ広い。やっぱロケットとか輸送するために広いのか。

JAXA
 到着すると我々を巨大なH2ロケットが出迎えてくれて、いやがおうにも宇宙キタ━━━━ (゚∀゚)━━━━!!!!という感情が高まる。
 駐車場はギリ空いていた。みんなワールドカップとかいうやつを観ているらしい。
 
JAXA
 これはNASAのミッションポスター。NASAはミッションごとになんかかっこいいポスターを作るのが恒例らしいんだけど、ときどき宇宙ぜんぜん関係ないちょけ方をしてるのは何なの?
 第42次長期滞在のポスターがガイド・トゥ・ザ・ギャラクシーなのは渾身のSFネタで良かった。あんたほどの組織がそういうなら俺からは何もコメントはないぜ。
 
JAXA
 メイン展示館であるスペースドームは大きめの体育館くらいの規模だが、中にみっちりと人工衛星などの模型や実物が詰め込まれている。
 真ん中に鎮座しているのが国際宇宙ステーション(ISS)に刺さっている「きぼう」の実物大モデル。有料見学ツアーを予約すると、ISSの管制室が見られるらしい。それはすごそうだ。
 
 情報量が多いので解説員さんの無料ガイドに乗っかるのが良いと思う。1時間ごとに開催されている。解説員さん、H3ロケットの模型を差し棒の代わりにブンブンふりまわして解説していたけど、あとでミュージアムショップで模型の値段見たら8000円以上してびっくりした。そんなものをふりまわすんじゃあない。
 日本の人工衛星、GPSをやっているのが「みちびき」、降水量や水蒸気量を観測しているのが「しずく」ってことは、CO2観測衛星の「いぶき」って……ひょっとして俺たちの吐息のことを示していたのか?

JAXA
 日本の歴代ロケット。側面に輝くNASDAの文字が懐かしすぎる。いつの間にか我々はJAXAに慣れてしまっていた。
 ロケットは人工衛星などを宇宙に押し上げるために使われる推進装置である。H3ロケットは搭載するものの重量に応じて推進装置を増減できる経済的なロケットなんだってさ。そしてH2ロケットまでは「NIPPON」と書かれているが、H3からは「JAPAN」になっている。理由は解説員さんがちゃんと教えてくれた。みんなも考えてみよう。

 ロケット、かっこいいのでグッズを買おうかと思ったんだけど、文脈がないとミサイルに見えてしまいとても危険な感じがする。ロケットの技術はとてもヤバいと最近『ヒトナー』で言っていた。
 ところで後からワイフに言われて気づいたんだけど、我々、入場料も駐車料金も払ってない。エッ……あれ全部タダだったの!?
 

■つくばセンター広場

 帰宅する前に、すぐ近くにあるつくばセンター広場に寄って行く。
 クルマで向かう場合、つくばセンタービル地下駐車場に停めると1時間無料だという情報を得ていたが、まさか駐車場から出るとすぐに広間のド真ん中に出るとは思っていなかった。地上に出た瞬間「うわ」って声が出てしまった。

つくばセンター広場
 これは親の広場より見た広場。東映特撮で年1~2回は見る。最近はギャバンインフィニティ1話でも見たし、なんなら前述のキョウリュウジャーの最終回ダンスもここだった。
 なんかジャイアントオタマトーンの彫刻が置いてあるんだけど、これ特撮の撮影のたびに頑張って格納してるの? 大変だな。

 満足したので、広場のローソンでオヤツを補充し、また高速をぶっとばして帰った。
 北関東にはまだ「死ぬまでに一度は行きたい場所リスト」の星がいくつもある。俺の冒険は終わらない。
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