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◆不定期日記ログ◆

■2022-02-11
イカゲッソヨ!
 韓国産デスゲームNetflixドラマ『イカゲーム』を観ました。
 できるだけネタバレしないよう感想を書きます。


 視聴し始めた俺はまず『イカゲーム』が原題ではなく邦題だということに強い衝撃を受けました。てっきり韓国語の原題の発音をそのままカタカナに写しただけのタイトルだと思っていたので、まさか既にニンテンドーが世界的なイカのゲームを発売しているというのにわざわざ邦題を被せていたというのは想定していませんでした。
 そのうえ、これだけ任天堂に迫っておきながら、本作のデスゲームのシンボルが「○△□」で完全にプレイステーションなんですよ。なので「スプラトゥーン3を欲しいってお願いしたら親が間違えてプレステ本体を買ってきた」みたいな事故が今年すごいたくさん起こると思います。なんでそんな悲しいことをするんだ。

 まあ英語圏でも『Squid Game』になっていますし、韓国ドラマの邦題は直訳が基本らしいので、たとえ直訳の結果『愛の不時着』みたいな昭和歌謡曲めいたタイトルになってしまってもGOサインが出ている以上、イカゲームはイカゲーム以外の選択肢はなかったのでしょう。


 さて、デスゲーム先進国である日本に住んでいる我々は、既に「異世界転生」「悪役令嬢」と同様に、具体的な作品に触れていなくても、デスゲームのなんたるかについての共通認識を持っています。「最初に見せしめで死ぬデスゲームをナメてる奴」「主催者と繋がっている奴」「運営の正体に迫ってしまい消される奴」あたりのポジションは日本の若者なら「もう あきたよ」というものばかりでしょう。

 俺は『バトルロワイヤル』を履修しておらず、全編読み切ったデスゲーム作品がよりによって『ラブデスター』くらいしかないなど、デスゲームの知見についてはかなり怪しい部類ですが、それでも数多くのデスゲームを受動喫煙してきています。
 それゆえ、展開についてはいくらか読めました。デスゲーム有識者会議で3話まで観て「誰がラスボスか」を協議したら意見が一致するんじゃないでしょうか。それくらい丁寧に情報を出してくれる作風です。

 ただ、運営が参加者にサバイバルをさせたいのか、ゲームをさせたいのか、主に単純暴力のアリ/ナシの切り替えのことですが、なんかハッキリしない部分はちょっと気になりました。特に満を持して決勝戦の舞台に登場したイカゲームが、結局ルールとかほぼ関係ない1対1のナイフデスマッチになってしまっていたのは残念でした。
 そこで武器持たせてたらゲームの意味ないでしょ……それならタイトルをイカゲームにすることなかったじゃん……。闇カネモチだって素人の格闘戦見るために出資したわけじゃないと思うよ。運営はちゃんと顧客(闇カネモチ)のほうを向いて、しっかりゲームに向き合ってほしいですね。


 我々が慣れ親しんだ日本のデスゲームは、若者が巻き込まれることが多い印象があります。その点イカゲーム参加者は主人公を含めてくたびれたオッサンが多く、それゆえに人生の詰みっぷりがリアルに受け止められるのが特徴的なところと言えるでしょう。若い奴もいますが、出稼ぎ外国人(!)とか脱北者(!!?)なのでとても新鮮な気持ちで観られました。脱北者は読めなかったわすごいな韓国……。