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◆不定期日記ログ◆

■2021-07-03
懐かしき歌
 『聖剣伝説 Legend of Mana』のリマスターを受け、俺はただちにファ・ディールへ向かい、やがてビクトリーしましたが、お前たちはまだビクトリーしていないのか?
 そういうことをこれから書いていきます。

 本作ではなんかアニメ画風のオープニングというかトレイラーが追加されており、なぜ画風が異なるのか訝しんでいたところ、どうやら「アニメ化の企画が先に動いており、そこからリマスターへ進展した」というドすげえ動きがあるらしく驚きました。企画者すごすぎない? 「キミのイメージが力になる。キミの言葉が世界になる。信じるだけでいい。」って詩人のポキールが言ってたけど本当だったんだぁ……。

#NintendoSwitch
 描き直された背景とドット絵のキャラクターの組み合わせは最初こそ違和感がありますが、聖剣LoMのドット絵がちくちく動くさまはもはや文化財ですので、ここを変更しないという判断は間違っていないでしょう。


 さて、以前サガフロのリマスターをプレイしたとき、俺はお前たちに「サガフロリマスター? 普通のリマでしょ……」という堕落した姿勢をやめろと忠告しました。
 その上で今回の聖剣LoMですが、おおっぴらにいうと普通のリマです。いや最初のポストを置いた段階でもう涙でベッチョベチョになってる男が言っても説得力がありませんが、これは俺が異常なだけで、リマスター自体は普通です。
 具体的に申し上げると、
  • サガフロのような追加シナリオはない。サガフロの場合は追加というより復刻の意味合いが強いのでちょっと事情は違うが。ただ、レーシングラグーンがリマスターされたあとアプデで追加されると信じていた「ポルポタ最速伝説」が普通に実装されており笑った。
  • 「イベント発生の条件を満たしたランドにアイコンが出る」とか「楽器作成のときに事前にどんな魔法が宿るか表示する」みたいな、遊びやすくするような追加要素はない。「ダナエを探してくれ」と言われただけでノーヒントなのに無意識にキルマ湖に向かえる強者には関係ないが。
  • アクションなので仕方ないが、ゲームをテンポアップさせるような追加要素は「エンカウントON・OFF」しかない。「どこでもセーブ」はあるものの、ソフトリセットが実装されていないので、特定のバトルをリセマラするような狂人(くるんちゅ)には大したメリットはない。
  • 「リング・りんぐ・ランド」のセーブデータをコピーすることで希少な素材を無限入手するインチキ技は、ポケステが内蔵されたため当然不可能になった。これについては無限ジャンクなどのバグを再現実装したサガフロリマスターチームがどうかしている。
  • ペットのエサで性格が「冷静」「優柔不断」にならないという不具合がそのまま生きている、というか、図鑑にそもそもその2つの性格が載っていない。
  • 他のメモリーカードの主人公を召喚する仕様が再現されているが、Switchでは別アカウントのセーブデータは参照できないので、使いどころはほぼない。
 ……というような点から「普通のリマスター」と申し上げるわけです。サガフロが異常だった。

 しかし、だからといって、このリマスターの価値がいささかも損なわれることはないということを強調しておきます。
 なぜならばサガフロリマスターが行わなかった「音楽のリマスター」が完璧になされており、背景美術の描き直しと合わせて5000兆点をたたき出しているからで、加点方式で評価すれば神ゲーであることが間違いないからです。エンタメに対して減点方式で評価する姿勢をやめろ。人の愚かさばかり見る、君の生き様に光明はあったかい?

 なので原作のサントラを持っている人はリマスター版のサントラを買いましょう。特に良く聴く「心のある場所」「ホームタウンドミナ」「旅人たちの道」「彩りの大地」「海へ」「風歌う、その旅路」あたりはまっすぐな原曲拡張で素晴らしい。「Pain the Universe」はもっとドラムをバキバキにしてても誰も文句言わないと思うヨ!

 とりあえずほとんどのイベントをそこそこに、俺はちゃちゃっとマナの聖域を出してビクトリーしました。そしてエンディングの「Nostalgic Song」→「Song of MANA」を聴きながら、これがアニメの最終回エピローグで流れることを想像してあらかじめ泣いています。虚無から涙を生み出すな。涙を流せない珠魅の気持ちを考えたことがあるのか?