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◆不定期日記ログ◆

■2017-10-31
そして輝くキラキラネーム
 キラキラネームは数あれど、ただ読みにくいだけだったり、むやみに強い漢字を使っているだけだったりすると、変わった名前でも意外と印象に残らない。もはやそういう名付けが珍しくなくなり、ただキラキラさせるだけでは独自性が感じられなくなっているのだろう。

 もうだいぶ昔の話になるが、もっともキラキラネームと多く触れあったのは、小学校の文集をひたすら読むはめになったときだった。その作業の中で俺はだんだん最近の名前の読み方に習熟していったが、そんなとき目の前に現れた名前が、

「中野太陽地」くん

 ……であった。
 今ならば読める。おそらく「太陽」の「陽」を置き字にしての「たい・ち」か、「た・ひ・ち」と読ませての「たいち」か、いずれにせよ十中八九たいちくんであろう。

 だがそのとき俺の脳内に去来した読み方はまずまっさきに「なかの・さん・ぷらざ」だった。
 ミュージシャンのサンプラザ中野くんさんのように、ご両親が中野サンプラザに何か強い思い入れがあったのだろうか。昔バンドをやっていて中野サンプラザで演奏するのが夢だったとか、ご両親が出会ったのが中野サンプラザで行われたイベントだったとか……もしそういう背景があったとして、それをなんとか「たいち」というまっとうな名前らしい響きに押し込んだアイデアには素晴らしいものがある。凡百のキラキラネームにはない輝きを感じた。

 実名をフルで挙げてしまい太陽地くんには申し訳ない気持ちでいっぱいである。もう高校生か大学生になっているだろうか。もし本名をエゴサしてここにたどり着くようなことがあったら、今まで「サンプラザ」というあだ名を何人の人からつけられたかコッソリ教えてほしい。