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◆不定期日記ログ◆

■2009-07-29
異字体事態
 古い通帳が出てきた。
 高校のとき学費の支払いに使っていたもので、まだ「ゆうちょ銀行」ではなく郵便局のマークがついている。
 このままでも使えるようだが、いろいろ制限があるそうなので、新しい通帳に移行することにした。

 郵便局へいって、通帳と印鑑、それと本人確認のできる身分証を提出する。
 普通ならこれだけで移行完了なのだが、つまらない問題が発生した。

 窓口のお姉さんいわく「通帳の名前と身分証の名前が違う」と。
 僕の苗字には微妙な異字体が含まれている。
 通帳の名義は普通の字体で表記されていたのだが、身分証として提出した免許証はキッチリ異字体で表記されていたため、異字体で「名義の変更」の書類を書くことが必要だということだ。

 字体の違いはごくわずかなものだ。
 たとえば「糸」や「比」などの漢字は、フォントによって画数がぜんぜん違って見える。僕の異字体にはその程度の違いしかない。画数が変わってしまうので姓名判断の類はまったく参考にできないが、他に支障はない。
 可能なら、パソコンで普通に変換できる普通の字体のまま、通帳を作りたい。
 なんとかならないものだろうか?

 偶然、保険証を手元に持っていたので見てみると、こちらは普通の字体で書かれていた。
 ダメでもともと、それを見せて「じゃあ、こっちで本人確認すれば、名義変更しなくていいですか?」と聞いてみたら、意外にも即オッケーが出た。
 僕と保険証の「字体への無頓着さ」が郵便局の手続きを突破した瞬間である。


 渡邊さんや斎藤さんや高橋さんや浜崎さんのご先祖が、みんなこの程度の無頓着さを持っていたら、日本はもっとシンプルになっていたかもしれない。