Oneside Flat Web

◆不定期日記ログ◆

■2006-06-16
ロマンはどこだ
 いまさら『陽気なギャングが地球を回す』読了ッ!

 ひさしぶりにスカッとする小説を読んだ。
 こういう爽快感がある小説は、ともすると中二病患者っぽい雰囲気になってしまって痛々しいものだが、これはそれほど斜に構えた感じもなく、スッキリと読み終えられた。

 でもどうせアレだろ、お前ギャングって聞くと「僕は、ギャングスターになります!」とかすぐに連想するクチだろ。
 いいよわかった。そんなお前の興味を引くように、ジョジョにたとえて感想を書いてやる!

 主な登場人物は4人。
 普段は公務員だったり派遣社員だったりするが、副業で銀行強盗をやっている。

 リーダーは成瀬。
 ブチャラティのごとき判断力と、ジョルノのごとき冷静さを兼ね揃えた最強のリーダーだ。
 相手の表情から嘘を100%見破るのが特技。

 そして成瀬の友人の響野。
 とにかく喋る人。喋りまくって状況を読者にわかりやすくしてくれる。
 たとえるならミスタ。キャラのポジション的にもミスタ。

 スリの名手、久遠。
 動物好きの少年で、その無邪気な様子はまさにナランチャ。
 主に情報収集(スッたアイテム)の方面で活躍する。

 紅一点の雪子。
 ムーディ・ブルースより正確な時間記憶を持つクールビューティ。
 しかし息子のことになるとすごい執着心をあらわし、そのキレっぷりはフーゴを凌ぐ。

 この4人が、銀行強盗のあと別の事件に巻き込まれ、さらにえげつない銀行強盗犯と対決するお話。
 複線もポンポン消化してくれるし、時系列が前後するわりにはテンポも良い。「お前が攻撃してくるということを俺が予測している、ということをお前は予測していた、ということを俺が予測していなかったと思うか?(ジョジョ4部)」的な爽快感を味わいたい人に超絶オススメの一冊でした。

 個人的には、成瀬さんの嘘発見能力があまりに強力でバランスを崩しているので、表情だけじゃなく汗を舐める必要があるとかそのくらいの縛りをつけたほうがいいと思った。
 この味は嘘をついている味だぜ。