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◆不定期日記ログ◆

■2026-07-02
熾烈なる歯列矯正生活8
 歯列矯正の日々、1年と11か月が経過。

 6月に歯のワイヤーを調整した翌日、普通に昼食をモリモリ食べていて気がついた。痛みが……ないッ!
 今までなら、矯正歯科の翌日は歯が使えなくて、カレーメシを飲むしか腹を満たす方法がなかったはず。これはつまり、歯の移動がもう微調整のレベルに到達したと考えてよいだろう。
 
 まもなく2年が経とうとしており、実際あとどのくらいで終わるのか、俺も家族も大変気になっていたのだが、聞けずにいた。
 というのも最近、矯正の患者さんが増えたのか、担当の先生が大忙しで、複数の部屋で平行作業するようになった。なので、助手の人が俺の口内を準備して、先生が作業をし、最後にまた助手の人が仕上げをして終わり、という流れになっていた。
 先月なんてもう、先生が来るや否や「ハイお口開けてください~~こんにちは~~」とアイサツが後回しになるレベルだったので、もはや俺の歯に話しかけている可能性すらある。
 先生から見ると、俺はいつも顔にタオルがかけられた状態であり、歯のほうに人格を見出すのも無理のない話だ。
 「順調に動いてますね~~」とは言われるが、俺が先生と会うときは常に言葉を発することができない状態で、専門的なことは何も聞けない。助手の人に聞いても忙しい先生にわざわざ尋ねに行くだけだろう。インフォームドをコンセントすることが困難である。

 それがついにタイミングが合ったので聞いてみたところ「今回は下の歯型を取ります」ということであった。
 エッ歯形を取る……それってつまり……次で下のワイヤーが外れるってコト!?


 果たしてその通りで、今月、下のワイヤーが外されることになった。
 ワイヤーを固定している台座は、特殊な薬品で接着剤を溶かしてポロリと取れるもんだとナメていたら、けっこう腕力でミシミシ言わせて引き剥がすパートがあってビビった。きちんと食いしばっていればノーダメだが、ナメた態度をとっているとこういうとき予期せぬダメージを受けることになる。歯列矯正、けっこう腕力に訴えるシーンが多いな。

 ワイヤーが外れたからといって歯列矯正は終わりではない。
 ここからはリテーナーと呼ばれる着脱式のマウスピースを歯の裏に装着して、歯の戻りを抑制するステージに移る。
 これはどのくらいお世話になるのか聞いてみたところ、「ワイヤーと同じくらいの期間」……つまりさらに2年が目安であるとのこと。最初は食事と歯磨きのとき以外は常時装着で、様子を見て就寝時だけの装着になるのだそうだ。

 「ちなみにこれ失くしたら……いくらくらいになるんですかね」
 「25000円くらいですね」
25000円
 思わずChatGTPでラグジュアリーにし、紛失しないように決意を固める俺であった。


 しかしこれ……常時装着の間はワイヤーより厳しいんじゃあないのか??
 歯の裏が唾液に触れなくなるため、これを装着したまま糖の含まれるものを飲食すると虫歯の原因となる。となると、歯列矯正のあいだ俺の摂取カロリーを支えてくれていたコカコーラが気軽に飲めなくなってしまう。飲む前にリテーナーを外し、失くさない場所に置き、飲んだら歯の裏を磨いて再装着しなければならない。ワイヤーのときは歯に挟まるものを歯間ブラシで除去していればよく、歯に挟まらないものは無限に食べることができていた。またしても摂取カロリーが減りBMIが下限を突破してしまう危機に晒されている。
 リテーナーケースがもらえたので、それとキャンプ用の折り畳み歯ブラシを常時携帯することにした。汚れが気になったときのためのポリデントめいたものも導入だ。
 朝食は……朝食はどうしたらいいんだろう。バナナは糖分に入りますか? 入るよなそりゃ……。