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■2026-06-10 : 死なねばならぬ品なるが
 去年話題になった映画『国宝』がアマプラしたので、観た。

 初めは観るつもりはなかった。なにしろ3時間ある。話題作だからというミーハーな動機で、歌舞伎というあまり興味のない世界の話を3時間耐久する自信がなかった。
 だが……なにしろ吉沢亮と横浜流星である。この段階ですでに顔面が国宝級であり、どちらもニチアサ特撮をレギュラーで戦った猛者である。仮にお話がまったく理解できなかったとしても、顔の良さだけで3時間持つ可能性はある。

 公式サイトのあらすじにはこうある。

 この世ならざる美しい顔をもつ喜久雄は、抗争によって父を亡くした後、上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎に引き取られ、歌舞伎の世界へ飛び込む。
 そこで、半二郎の実の息子として、生まれながらに将来を約束された御曹司・俊介と出会う。

映画『国宝』公式サイト
 こうやって前振りされると、当然、二人の顔の良い男が、国宝の座をめぐって激しく争う話を想像してしまう。
 そしてその戦いがクライマックスを迎えた暁には、
 「国宝は二人もいらない」
 「決めようか、どちらが国宝にふさわしいか」
 「「変身!!」」
 となる可能性が高いわけだが、なんと完全にそういうレベルの話ではなかった。それはそう。

 この二人、ジョナサンとディオのようにどこかで決定的な決裂を生むのかと思いきや、意外とずっと併走している。そりゃ意地の張り合いで殴り合いになることはある(顔の良い男二人は殴り合ってわかり合うのが『義務』とされている)が、二人はぜんぜん互いを敵視していない。二人とも「芸」に命を捧げているので、つまらぬ嫉妬に焼かれているヒマはないのである。
 「芸」のためなら女も捨てるし、悪魔とも契約してしまう。「悪魔と契約したお前には国宝の力を使う資格がない! 変身!!」と言ってくれるヤツもいない。「芸」を極め国宝となる男の一生を描くには、3時間では尺が足りないのだ。

 本当に「血の運命」を象徴的に描いていて、それは世襲によって職業が決定づけられるみたいな話だけではなく、生き死ににも関わってくる。命を運んで来ると書いて『運命』! フフ、よくぞ言ったものだ。
 入院した横浜流星の元に駆けつける吉沢亮はさすがにフォーゼすぎて笑ってしまった。この二人、もう14年も前にすでに男×男のクソデカ感情を向け合っていたではないか。改めて仮面ライダーフォーゼのすごさを再認識した形だ。


 それにしたって吉沢亮と横浜流星はすごい役者になった。1年以上を稽古に費やしたという話だが、「歌舞伎の人間国宝の動きを演じろ」って言われて、大勢に説得力のあるものを出せるのは驚異というほかない。しかも横浜流星、撮影時期としては大河『べらぼう』と重なってるんじゃないの? そんなことできる?

 ワイフ「吉沢亮はこの直後に『ババンババンバンバンパイア』をやったらしいけど」

 いやそっちはそっちですごいな。あたまおかしなるで。

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