◆不定期日記ログ◆
- ■2025-12-22
- ジョジョ四部の謎にせまる
それは矢吹氏が提示したひとつの疑問から始まった。
『ジョジョの奇妙な冒険』第三部の主人公といえば誰もが知る空条承太郎である。
彼は第三部の旅の終着点で、宿敵DIOと戦い、時を止める能力を身につけた。
第三部で承太郎が時を止められるのを知ったのは、停止した時の中を動けるDIOのみであり、DIOは承太郎にその場で始末されている。
「では第四部の敵スタンド使いは、どうやって承太郎が時を止められることを知ったのか?」
ジョジョは考察の宝庫なので、30年以上前のこの展開についての考察もすでに決着がついている……のかと思ったが、検索してみると意外とない。Yahoo知恵袋やRedditに散発的な考察は見受けられたが、これはちゃんと考えてまとめて、インターネットの海に投げ込んでおくべきと考える。
こうなると時間停止のことを知る者はかなり限られてくる。DIO戦に立ち会ったポルナレフはDIOとの会話(時間停止してない部分)を聞いていた可能性が高いが、ジョセフおじいちゃんが時間停止に言及したのは昇天しかかったときの演出のみなので、うっかりすると知らない可能性がある。
エンヤ婆もすでに故人なので苦労したと思うが、「弓と矢」を実際に入手するほどなので、第三部で起こったことの概要は把握しているのだろう。
ただし、この場では時間停止については話題にしていない。
第四部で初めて敵スタンド使いの口から時間停止の話題が出るのはその直後、音石明からの警告電話である。
これに対して仗助は、特に大きなリアクションをとっていない。身内のスタンド能力がバレるというのは、ディアボロ氏も徹底的に排除するレベルの情報セキュリティ・インシデントのはず。まあお前はトリッシュのスタンドからディアボロの能力が何か推測できるのかって言われたら何もわからないんだが。
そもそも仗助がどの段階で承太郎の能力を知ったかというのも実はよくわからない。
アンジェロ戦のときには初めてのスタンド戦だったにも関わらず「無敵の『スタープラチナ』でなんとかしてくださいよォーッ!」って態度になっていないので、アンジェロを始末したあとから間田戦までの間に共有されたのだろうか? なおコーイチ君は靴屋さんの段階ですでに知っている態度だった。
*虹村形兆が調べて知っていたよ説
調べて見かけた頻度の高かった仮説。「弓と矢」を入手できるくらいなので承太郎の能力くらい調べていてもおかしくない。
ただ問題になるのは前述の「承太郎が時を止めた」という情報を誰が得たのか? という点である。DIOの能力すら側近しか知らなかったはずなのに。まさか当時のエジプトの様子を調査して「時計台が破壊されている……なぜ時計台が……? 時計の針を破壊……時計を止める……まさかッ!」ってなったのか?
しかし形兆の兄貴は、承太郎のことを本当に知っていたのだろうか?
上記のシーンでも「承太郎という男」じゃなく「承太郎」と言っているし、自宅の向かいで承太郎と仗助がアンジェロと交戦していたのを見ていたのかなとは思うが……親父を殺すことに10年を費やした男が、DIOを殺した本人が街に来ていることを知って会いに行かないなんてことがあるのだろうか? 親父が治らないことを確信したらDIOの情報には興味がなくなったのか?
形兆の兄貴、承太郎がDIOを殺したことは知っていても顔は知らず、その能力やいま市内に滞在していることまでは……知らなかった可能性がないか?
*音石明が盗み聞きしたよ説
普通に考えればこっちが有力かもしれない。おそらくアンジェロ戦のあと承太郎が「クレイジー・ダイヤモンド」を命名したあたりで、互いのスタンドの情報を共有しておこうっていう話になって、それを電線からチリ・ペッパーに盗聴されていたのだろう。
このタイミングで聞いたとするなら、その情報を使って上記の電話で承太郎をビビらせておこうという流れになるのも自然な話だ。
懸念点としては、「1秒か2秒」「タフで正確な動きもするっていうし…」と情報があいまいで伝聞調なところで、承太郎が仗助を信頼して能力のことを話したのを盗聴したのならば、やや不自然な言い方と言わざるを得ない。情報源をあいまいにすることで承太郎に能力を悟られないようにするブラフなのか?
*SPW財団から漏洩したよ説
時間停止という規格外のスタンドについてSPW財団が放っておくはずがないので、帰国した承太郎を捕まえていろんな実験をした上で詳細なレポートを作り、それが財団外に漏れて虹村形兆の目に触れたという可能性。
この場合承太郎が10年時を止めていないので、研究はそうそうに暗礁に乗り上げたものと思われる。でもこの時の調査が第六部でDISCを抜かれた承太郎さんを守ったのだと思うから……。
*ジョンガリ・Aの執念説
第三部時点で10歳くらいだったジョンガリ・Aがエジプトにいて、たぶんンドゥールの付き人とかをしてたんだけど、持ち前の耳の良さでカイロ上空に響き渡る「止まった時の中に入ってくるとは思わなかったぞ」という子安ボイスを聴いていたのだ!!
その後、第三部終了後にプッチ神父の一味につながっていく「DIO様互助会」みたいな組織ができていて、その中で共有されていた情報に虹村形兆が触れたのではないか。
というかそういう組織がないと、日本の高校生が「弓と矢」を手に入れられるわけがない。悪には悪のSPW財団が必要なのだ……。
*アトム・ハート・ファーザー説
吉良吉影のおやじは計算すると第三部開始前の1987年に死亡しているが、それより前にエンヤ婆から「弓と矢」を手に入れてスタンド使いになっている。
つまりDIOからかなり信頼されていた人物であったと見て間違いなく、死後に能力を活用してDIO様互助会をしていてもおかしくない。
なにより「快楽殺人者の実子を溺愛」という点がエンヤ婆と相性が良すぎるッ!! 小指が赤い糸で結ばれてるコンビかチクショー!
ただコイツは息子のことしか考えていないし、吉良親子は仗助チームと接触するまで「スタンド」という呼び方を知らず、他の能力者とも戦ったことがなさそうな言動をしているので、事前に形兆や音石明と接触していたとは考えにくい。スタンド使いはひかれあうのにね。
*ホル・ホースがバラしたよ説
なんとスピンオフコミック『クレイジー・Dの悪霊的失恋』でホル・ホースが杜王町を訪れている。ホル・ホースは病院を脱走してDIOと花京院の戦いを目撃した設定なので、ひょっとしたら承太郎が時を止めたことを知っているかもしれない。
だがそのことを杜王町の住人に話す理由がなく、一番接触していた仗助は当然、承太郎のことを知らないまま第四部を迎える。だめそう。
*ジョースターの凄み説
矢吹氏が提唱する新説。
ホリィさん「今…心が通じたわ! 二人が帰ってくるのよママ! パパと! 承太郎よッ! 二人が帰ってくるわッ! 承太郎が時を止め返してDIOを倒したのよッ!」
日本に潜むDIOの手下「何だってッ!!」
*ポルナレフが自白したよ説
矢吹氏が提唱する新説。
フランス人書店員「何をお探しかね?」
虹村形兆「DIOについて書かれている文献はないかね?」
フランス人書店員「フーム少々お待ちください」
虹村形兆「……遅いな ちょっと覗いてみよう」
フランス人書店員「突然で悪いが名乗らせていただこう J・P・ポルナレフ!」
伝聞形で情報があいまいなのは、承太郎が直接話した言葉を盗聴したのではなく、仗助がコーイチ君か億泰の加入時に説明して盗聴されたのかもしれない。
他人のスタンド能力を話すのがタブーっていう感覚、第四部序盤の杜王町ではあんまりなさそうだし……。
『ジョジョの奇妙な冒険』第三部の主人公といえば誰もが知る空条承太郎である。
彼は第三部の旅の終着点で、宿敵DIOと戦い、時を止める能力を身につけた。
第三部で承太郎が時を止められるのを知ったのは、停止した時の中を動けるDIOのみであり、DIOは承太郎にその場で始末されている。
「では第四部の敵スタンド使いは、どうやって承太郎が時を止められることを知ったのか?」
ジョジョは考察の宝庫なので、30年以上前のこの展開についての考察もすでに決着がついている……のかと思ったが、検索してみると意外とない。Yahoo知恵袋やRedditに散発的な考察は見受けられたが、これはちゃんと考えてまとめて、インターネットの海に投げ込んでおくべきと考える。
■前提条件の整理
まずは第四部開始時の状況を整理する。単なる事実の確認なので、第四部を読み込んでいる人はこの項目を飛ばしてよい。ひさしぶりに…
実に10年ぶりに0.5秒だけ「時を止められたぜ」……- 空条承太郎! 東方仗助に会う その②
こうなると時間停止のことを知る者はかなり限られてくる。DIO戦に立ち会ったポルナレフはDIOとの会話(時間停止してない部分)を聞いていた可能性が高いが、ジョセフおじいちゃんが時間停止に言及したのは昇天しかかったときの演出のみなので、うっかりすると知らない可能性がある。
おれは10年かかって全てを調べたよ…「スタンド」のこと「承太郎」のこと
そしてエンヤという老婆を知って「弓と矢」を手に入れたんだがな…- 虹村兄弟 その⑨
エンヤ婆もすでに故人なので苦労したと思うが、「弓と矢」を実際に入手するほどなので、第三部で起こったことの概要は把握しているのだろう。
ただし、この場では時間停止については話題にしていない。
第四部で初めて敵スタンド使いの口から時間停止の話題が出るのはその直後、音石明からの警告電話である。
なんでも承太郎さん…あなた…時間を1秒か2秒ほど止められるらしいですねェ? しかもタフで正確な動きもするっていうし…
- 広瀬康一(エコーズ) その①
よそ者のくせによぉ~おれたちのことを探りやがって
場合によっちゃあ死んでもらう
…とはいえ承太郎の「スター・プラチナ」は1秒か2秒時を止められるっつー話をきいた…- 間田敏和(サーフィス) その②
これに対して仗助は、特に大きなリアクションをとっていない。身内のスタンド能力がバレるというのは、ディアボロ氏も徹底的に排除するレベルの情報セキュリティ・インシデントのはず。まあお前はトリッシュのスタンドからディアボロの能力が何か推測できるのかって言われたら何もわからないんだが。
そもそも仗助がどの段階で承太郎の能力を知ったかというのも実はよくわからない。
アンジェロ戦のときには初めてのスタンド戦だったにも関わらず「無敵の『スタープラチナ』でなんとかしてくださいよォーッ!」って態度になっていないので、アンジェロを始末したあとから間田戦までの間に共有されたのだろうか? なおコーイチ君は靴屋さんの段階ですでに知っている態度だった。
■仮説の列挙
状況が整理されたというより、とっちらかってきてしまったが、考えられる可能性を挙げていこう。*虹村形兆が調べて知っていたよ説
調べて見かけた頻度の高かった仮説。「弓と矢」を入手できるくらいなので承太郎の能力くらい調べていてもおかしくない。
ただ問題になるのは前述の「承太郎が時を止めた」という情報を誰が得たのか? という点である。DIOの能力すら側近しか知らなかったはずなのに。まさか当時のエジプトの様子を調査して「時計台が破壊されている……なぜ時計台が……? 時計の針を破壊……時計を止める……まさかッ!」ってなったのか?
しかし形兆の兄貴は、承太郎のことを本当に知っていたのだろうか?
上記のシーンでも「承太郎という男」じゃなく「承太郎」と言っているし、自宅の向かいで承太郎と仗助がアンジェロと交戦していたのを見ていたのかなとは思うが……親父を殺すことに10年を費やした男が、DIOを殺した本人が街に来ていることを知って会いに行かないなんてことがあるのだろうか? 親父が治らないことを確信したらDIOの情報には興味がなくなったのか?
形兆の兄貴、承太郎がDIOを殺したことは知っていても顔は知らず、その能力やいま市内に滞在していることまでは……知らなかった可能性がないか?
*音石明が盗み聞きしたよ説
普通に考えればこっちが有力かもしれない。おそらくアンジェロ戦のあと承太郎が「クレイジー・ダイヤモンド」を命名したあたりで、互いのスタンドの情報を共有しておこうっていう話になって、それを電線からチリ・ペッパーに盗聴されていたのだろう。
このタイミングで聞いたとするなら、その情報を使って上記の電話で承太郎をビビらせておこうという流れになるのも自然な話だ。
懸念点としては、「1秒か2秒」「タフで正確な動きもするっていうし…」と情報があいまいで伝聞調なところで、承太郎が仗助を信頼して能力のことを話したのを盗聴したのならば、やや不自然な言い方と言わざるを得ない。情報源をあいまいにすることで承太郎に能力を悟られないようにするブラフなのか?
*SPW財団から漏洩したよ説
時間停止という規格外のスタンドについてSPW財団が放っておくはずがないので、帰国した承太郎を捕まえていろんな実験をした上で詳細なレポートを作り、それが財団外に漏れて虹村形兆の目に触れたという可能性。
この場合承太郎が10年時を止めていないので、研究はそうそうに暗礁に乗り上げたものと思われる。でもこの時の調査が第六部でDISCを抜かれた承太郎さんを守ったのだと思うから……。
*ジョンガリ・Aの執念説
第三部時点で10歳くらいだったジョンガリ・Aがエジプトにいて、たぶんンドゥールの付き人とかをしてたんだけど、持ち前の耳の良さでカイロ上空に響き渡る「止まった時の中に入ってくるとは思わなかったぞ」という子安ボイスを聴いていたのだ!!
その後、第三部終了後にプッチ神父の一味につながっていく「DIO様互助会」みたいな組織ができていて、その中で共有されていた情報に虹村形兆が触れたのではないか。
というかそういう組織がないと、日本の高校生が「弓と矢」を手に入れられるわけがない。悪には悪のSPW財団が必要なのだ……。
*アトム・ハート・ファーザー説
吉良吉影のおやじは計算すると第三部開始前の1987年に死亡しているが、それより前にエンヤ婆から「弓と矢」を手に入れてスタンド使いになっている。
つまりDIOからかなり信頼されていた人物であったと見て間違いなく、死後に能力を活用してDIO様互助会をしていてもおかしくない。
なにより「快楽殺人者の実子を溺愛」という点がエンヤ婆と相性が良すぎるッ!! 小指が赤い糸で結ばれてるコンビかチクショー!
ただコイツは息子のことしか考えていないし、吉良親子は仗助チームと接触するまで「スタンド」という呼び方を知らず、他の能力者とも戦ったことがなさそうな言動をしているので、事前に形兆や音石明と接触していたとは考えにくい。スタンド使いはひかれあうのにね。
*ホル・ホースがバラしたよ説
なんとスピンオフコミック『クレイジー・Dの悪霊的失恋』でホル・ホースが杜王町を訪れている。ホル・ホースは病院を脱走してDIOと花京院の戦いを目撃した設定なので、ひょっとしたら承太郎が時を止めたことを知っているかもしれない。
だがそのことを杜王町の住人に話す理由がなく、一番接触していた仗助は当然、承太郎のことを知らないまま第四部を迎える。だめそう。
*ジョースターの凄み説
矢吹氏が提唱する新説。
ホリィさん「今…心が通じたわ! 二人が帰ってくるのよママ! パパと! 承太郎よッ! 二人が帰ってくるわッ! 承太郎が時を止め返してDIOを倒したのよッ!」
日本に潜むDIOの手下「何だってッ!!」
*ポルナレフが自白したよ説
矢吹氏が提唱する新説。
フランス人書店員「何をお探しかね?」
虹村形兆「DIOについて書かれている文献はないかね?」
フランス人書店員「フーム少々お待ちください」
虹村形兆「……遅いな ちょっと覗いてみよう」
フランス人書店員「突然で悪いが名乗らせていただこう J・P・ポルナレフ!」
■結論
チリ・ペッパー盗聴説がいちばん不確定要素が少ないのでこれじゃないのかな。伝聞形で情報があいまいなのは、承太郎が直接話した言葉を盗聴したのではなく、仗助がコーイチ君か億泰の加入時に説明して盗聴されたのかもしれない。
他人のスタンド能力を話すのがタブーっていう感覚、第四部序盤の杜王町ではあんまりなさそうだし……。