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◆不定期日記ログ◆

■2025-07-10
アポカリプスホテルをイッキ観した話
 いまさらになって、タイムラインに流れてきたファンアートを見て気付いてしまった。
 まさか先月最終回を迎えた『アポカリプスホテル』ってアニメ……俺が大好きな「作画コストの低いメカ」がたくさん出てくる話か!? 俺がジークアクスのコンチを見ている隙にこんなアニメが放送されていたとはッ!

 俺はただちにアマプラの奥地へ向かい、この作品を2日でイッキ観した。未視聴の前クールアニメをこれから観ようという人はそういないと思うので、ここから先は特に伏せもせずに感想を書く。
 「あ~アレね、観ようと思ってたんだけどな~~」って人はただちに全12話観て来なさい。そしてここでまた会おう。
TVアニメ「アポカリプスホテル」公式
サイバーエージェント × CygamesPicturesによるオリジナル"ホテル"アニメーション企画。2025年4月8日より日本テレビ他にて放送開始!「銀河楼」の威信をかけたヤチヨたちのおもてなしが、今、始まる――
https://apocalypse-hotel.jp/
 オープニングのaikoがもう本当にaikoで圧倒されてしまった。Aメロの音程これどうなってんの。明らかに十二平均律にない音を駆使したクセになる歌い方が懐かしすぎる。コード進行もどうなって……ウワーッあんま見ないコードばっかり! コワイ!!


 OPが飛ばせないまま全12話観続けてしまった。やはりこのアニメは俺の求める栄養素が適切に供給される良い作品であった。
 
 昔から俺は、創作上のロボしぐさとして「優先順位がおかしい」というのに強い魅力を感じていて、それは究極的には平然と自己犠牲を行うなどの展開に結実すると思うんだけど、それよりずっと細かいところでも優先順位がおかしいとつい愛おしくなってしまう。
 ヤチヨさんは「オーナーが作ったホテルを守ること」を最優先に動くロボなので、第1話からシャンプーハットの欠品に大騒ぎする。お客様をおもてなしすることが任務だが、ホテルに害をなすクソ客は殴る。殺人事件も隠蔽する。一見ロボらしくないように見えるこれらの行為も、ホテルを守るのが最優先任務なので、そのために何だってやるのがロボなのだ。

 それでも、文明が滅んだ世界でホテルを守り続けようとすれば、どうしようもない部分が出てくる。変えないものと変わらなければならないものを、オーナーの残したウィスキーを通して描く回の話運びが鮮やかであった。回を追うごとにホテルのあり方も変わっていくのだ。でも衛星砲は要らなかったよねえ!??

 また「目的を見失ったロボの再起」も大好物で、サガフロンティアのT260Gエンディングのことを思うといつでも泣く体制が整うくらいなんだけど、それも形を変えて何度も出てくるのでとても助かる。当初与えられた使命が消え失せたらどうするかっていうのは、ロボの自我が垣間見える大事なイベントなんだよね。
 
 ポストアポカリプスぶりもぬかりなく、特に最終回手前の第11話で描かれた滅びの街の様子は素晴らしかった。セリフを極力排した映画みたいな演出を1クールアニメの中でやるのがすごい。絶対に視聴者に美しい文明崩壊の姿を見せてやるという強い意志を感じる。
 文明の破壊を目的とした存在が登場し、既に文明が破壊されていたためによくわかんなくなってラブコメだかアメコミだかに巻き込まれていく回が最高だった。あれたぶん1クール通していちばん好きな回まであるな。破壊しかできない存在が最後に創造していくという流れも、嫌いなヤツはいないはずだ……。


 こんな調子で何もかも俺に都合良く作られているので本当にありがたかった。
 欲を言えばヤチヨさんも人型でないロボだと良かったんだけど、これについては「仮面ライダーも話し合うときには変身を解きがち(人の表情で魅せる演技がある)」ということでハエトリロボさんに免じて良しとしよう。制作陣に惜しみない感謝と賞賛を。スカートは揺れる、じゃあまたね! だ。