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◆不定期日記ログ◆

■2024-07-07
お前たちもとぐろ島に向かい一獲千金しろ
 俺は現在とぐろ島に渡って一獲千金を目指していますが、お前たちはとぐろ島に行かなくていいのか? という話をします。
 そもそもお前たちは『風来のシレン』というだけで「あの死んだら全部おわりになるヤツでしょ……?」と敬遠していることと思いますが、それがどうしたと言いたい。

 去年、『アーマード・コア6』という名作が出たことは知っていますね? あれも俺はずいぶん敬遠していましたが、実際やってみたらとても楽しかった。
 そして今年の初めに『シレン6』が出ました。こちらも『5』が出てから10年以上経ってのナンバリング新作です。敬遠しているお前たちも、やってみたらとても楽しいに決まっている。


 俺自身の話をすると、2008年の『シレン3』以来、もう長らくシレンシリーズをやっていません。なんか『3』から新要素がモリモリになって対応するのがめんどくさくなり、ひなびたサルーンでベイブと安い酒を呑みながら、全盛期の風来人の昔話ばかりして、『2』や『GB2』あたりの要素量がちょうどいいのでリマスターしてほしいナ……なんて腑抜けたことを言っていたのです。

 しかし発売後、歴戦のシレンジャーたちが「プレイ感が初代シレンに近い」と口々に言っているのを見て、これはいつかやらないといかんと確信しました。そしてこの夏、公式が「大型アップデート」と称して初心者向けの要素を追加したのを見てセールの予感を察知した俺は、ぬけめない商人の目で1割引きのうちに本作を手に入れたのでした。

風来のシレン6
とにかくいくぜ!
 こうしてシレンを再開した俺は、まず決定ボタンをAにするかBにするか選べるオプションに感服しました。このダイバーシティの時代では、あらゆる国籍・文化・性の多様性は尊重されるべきであり、「決定ボタンが下か右か」という問題はもう文化の一部なのです。
 聞いているかソニー&スクエニ! 「PS4で起動したときとPS5で起動したときでFF7Rの決定ボタンが入れ替わる」なんて仕様は多様性へのヘイトなんだよ! 悔い改めろ!!

 話を戻しましょう。
 風来のシレンというやつは、ポケモンなどと同様、エンディングを見てからが本番なタイプのゲームです。まあ最初は何度か死にながら要素のアンロックをしていけばよいでしょう。俺はおさんぽ気分で村を出ました。
 しかしそんな平和ボケの楽しい遠足はすぐに終わりを迎えました。なんか……マムルやチンタラの攻撃が……痛くないですかッ!? HPがガンガン減ってるぞッ! でもその場ダッシュしなくてもHPがガンガン回復していくぞッ!! なんだこれはッ!

風来のシレン6
HP 15/31
 なんか3Fでパコレプキンに出会って、ワンパンでHP半分持っていかれた俺は、完全にあの頃の目つきに戻っていました。テーブルマウンテンを踏破し、目つぶしお竜に「魔蝕虫なんてちょろいもんよ」というセリフを言わせるために孤軍奮闘したあの頃に。
 敵は強いですが、こちらの回復も早い。つまり、絶対に囲まれないこと、連戦もできるだけ避けること、そしてそのためにアイテムを惜しまないことが肝要です。そしてこれこそが、かつて風来人だった俺から、まだ風来人でないお前たちに贈るインストラクション・ワン……不思議のダンジョンにおけるイロハのイなのです。

 こうなればもう、おさんぽとか言ってられねえ。俺は死力を尽くしてフロアを爆走していきました。ときどき知らない敵(火遁忍者とかいう奴、聖域の巻物を焼きやがったんだが!?)とか、知らないアイテム(耐炎耐爆のお香とかいう奴を焚いたあとドラゴン草を撃っちまったんだが!?)が出ましたが、その都度、図鑑の説明文が更新されるため、なんとか対処することができました。

 24Fの蛇頭山に入るときの演出などは完全に初代のテーブルマウンテン到達時のものを意識しており、中学生だった俺が最初にテーブルマウンテンに到達したときのパッションを思い出して否が応にもテンションが上がります。

 しかし……どうやらまだ合成がアンロックされていません。マゼルン種のうわさも聞きましたが、出現はしていないようです。防具が鉄甲の盾+3でもだいぶ厳しい。地の恵みの巻物だけでは十分な防御力を得ることができません。
 それでもなんとか手持ちのアイテムを駆使して29Fまで到達しましたが、そこで「ドラゴンだけでなくスカイドラゴンも出る」という無法極まるモンスターテーブルに衝突し、万策尽きて憤死しました。ジェノサ……ねだやしの巻物なんて手に入らねえぞ!?
風来のシレン6
憤死、このあとすぐ!

 奇しくもファーストプレイが『シレンDS』のときと似たような苦しさになりました。新要素をさばきつつ行ったという点では今回のほうが健闘したかもしれません。
 そういうことで、20年前に風来人だった人は絶対にやるべき調整に仕上がっていますし、今まで不思議のダンジョンを敬遠していた人にも体感して欲しい絶妙の厳しさになっていると思います。体験版があるといいのにね。現場からは以上です。